理系の大学生の皆さんが直面するであろう研究室選び。研究室選びはその後の大学生活や就職先に大きく影響する大事なイベントであるため念入りに、慎重に情報を得て研究室選びを行わないといけないと思います。そこで今回は、実際にどのようなところに気を付けて研究室を選ぶべきかについて自分の実体験を踏まえて書いていきます。
指導教員の講義の様子で選ぶのはNG
「テストが簡単で単位を取りやすい講義をしてくれる先生だから、普段の講義の内容が面白い先生だからこの先生の研究室に行こう!」など考えてはいけません。逆も然り、「テストが難しく、単位を取りずらい講義をする先生だから研究室での研究にもストイックそうだからこの研究室はやめておこう」もダメです。普段の講義での先生の様子はあくまで講義での顔であって、研究室での顔は別です。講義での顔と研究室での顔が一致している先生もいます。
だからこそ、講義の様子だけでは判断してはいけないのです。研究室での指導教員の顔は、研究室配属前の学生からは見ることができないため、講義での様子を見て研究室を決めてしまう学生も少なくありません。研究室での顔は、その研究室に配属されている学生に直接聞かなくては知ることができません。
ちなみに、私の在籍していた大学では講義での顔と研究室での顔が違う先生が50%ぐらいで、そのなかでも講義では優しいのに研究室がブラックなパターンが75%でした。ぶっらっく企業と同じくブラック研究室は生徒がどんどん退学、休学していくため、研究室に人を集めることが目的なんでしょうか。
このような理由で講義の様子から研究室を選ぶのは危険だと思います。繰り返しになりますが、指導教員の研究室での顔を知りたいなら、実際に研究室の学生に聞くしかありません。研究生活で最も重要なのは研究室の指導教員の人間性だといっても過言ではないためきちんと調べましょう。
自分のやりたい研究テーマ
次に研究テーマです。学部生の頃に自分のやりたい研究テーマを見つけるのは難しいと思う人もいると思います。私も研究室決めの際に初めて自分のやりたい研究テーマについて考え始めました。自分のやりたい研究テーマが決まっている人は、その研究テーマの研究が行える研究室を選ぶべきです(当たり前ですが)。私は自分の一番好きだった科目である有機化学を行える研究室を選びました。
研究室の雰囲気
研究室で行うことは研究だけではありません。講義の課題をしたり、テスト勉強をしたり、学生と雑談したりなど…。また雰囲気の悪い研究室では先輩に研究の相談をしにくく研究がうまくいかなくなることもあります。そこで、研究室の先輩とのコミュニケーションは必要不可欠となります。
研究室との先輩とは指導教員以上に付き合う時間は長くなるため円滑なコミュニケーションが図れれば研究も、学生生活も円滑になります(過去問などももらえることがありますし)。先輩とのコミュニケーションは研究室全体の雰囲気が良いほうが円滑に進みため研究室の雰囲気をつかむことは重要です。
研究室の雰囲気は学生に聞くよりも、研究室見学に行き、実際に自分で研究室の雰囲気を感じるのが一番良いと思います。
研究室選びのまとめ
私の思う研究室選びで最も大切なのは
”指導教員の人間性 >>> 研究テーマ > 研究室の雰囲気” だと思います。
指導教員の人間性の重要性は他のサイトを見ていただければわかりますが皆さん共通して1番重要だと書かれています。優秀な人でも指導教員とのそりが合わなくては卒業できないこともあります。ある研究室で指導教員とのそりが合わずなかなか研究成果が出ず休学後、研究室を変えたことで同一人物とは思えないほど大活躍した先輩がいました。それほど重要ということです。
学部生と院生の違いについて
理系の学生の方は大学院へと進学する人が多いのではないでしょうか。
そこで、大学院への進学を悩んでいる人や進学する予定のある方に向けて、私の経験した学部生から院生になって変わったことなどを実体験をもとに書いていきたいと思います。もちろん研究室や指導教員によって研究室での学生の指導方針は異なる書いている内容と大きく異なることもあると思います。
研究の進め方
学部生は基本的に修士生に実験の進め方や分析機器などの使い方などの指導をしていただくと思います。私の所属していた大学のほとんどの研究室ではこのような形式で学部生の教育を行っていました。私の所属していた研究室では指導教員の教授は常に忙しいため、教授から直接指導を受けることはほとんどありませんでした。
そのため、学部生の実験の進め方や実験の方針については基本的に修士生に相談し進められました。また、実験で問題が発生したときの問題解決もかなり修士生に頼ることが多いと思います。
それに対し、修士生は基本的に自分の研究の進め方は自分で決めることが多いです(重要な場面では教授に相談することもあります)。問題解決も自分で解決策を模索し研究に取り組みます。そのため、専門的な知識が必要になります。
この主体性は研究活動において学部生と院生で異なります。
研究室での雑用の量
学部生の行う雑用は基本的に実験で使用する物品の数の管理や発注などの毎日行う必要のある単純作業やイレギュラーな事態があまり発生しないようなものが多いです。
それに対し、院生は分析機器のメンテナンスや故障時の対応、毒劇物をはじめとする試薬などの処理など、ある程度の知識や経験の必要な雑用や責任が伴うような雑用が多くなります。院生の行う雑用は機器分析の故障時の対応をはじめ研究設備の導入時の対応など、イレギュラーなものが多い印象があります。
そのため、研究の計画を立てていても急に雑用を行う必要が出てきて1日の予定が大きく変わってしまうこともあり、実験のスケジュールの立て方や柔軟性も学部生よりも必要があると思います。
専門性の高い知識の必要性
これは言わずもがなだと思いますが、大学院生は学部生よりも専門性の高い知識が必要とされます。研究室内では研究を行う上で必ず必要となり、大学内での修論発表や学会発表に備えて自らの研究を深く理解している必要があります。
学部生は専門性の高い知識というよりもより広い範囲の知識を学ぶ必要があると思います。そのため、自分の所属している研究室の内容にこだわることなくよりいろんな分野の講義を履修するべきだと私は考えています。
実際に、会社で働き始めて専門性の高い知識も必要ですが、それだけでなくより広い範囲の知識を学んでおいて良かった、もしくは学ぶべきだったと思う場面が多いです。
今回のお話は理系大学院生の私に限った話であるため、他の学科の方はどのような生活をしているのかは以下のサイトをご参考にしてみてください。
院生の生活|全国大学生活協連
https://www.univcoop.or.jp/activity/wa-master/life/index.html
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