今回の記事では年間の収入別および年代別の貯蓄率についてみていきたいと思います。
年収別の貯蓄率について
今回の記事は、前回の記事と同様に”家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和3年調査結果”のデータを基に書いていきたいと思います。
年収別の貯蓄率について以下の表のような調査結果が出ています。
貯蓄率の平均を見ると、前述のように年収が増加すると必ずしも貯蓄率が増加する傾向にあります。貯蓄率の平均は年収750万円以上ではあまり大きな変化がないように見えます。
年収と貯蓄率の関係性
表を見ると、収入のない世帯を除いたすべての年収の世帯において貯蓄率25-30%の割合が1番低い割合となっていることが分かります。
自分の考えになってしまいますが、貯蓄率25%未満か30%以上かどうかが貯金できない人かできる人かの分かれ道になっているのではないかと思います。実際に年収の高い世帯の結果を見ると貯蓄率25-30%未満を境に貯蓄率が分かれていることがわかります。
特に年収1,000-1,200万円世帯は貯蓄率の高い世帯と低い世帯で大きく分かれており、貯蓄しなかった世帯の割合が33.3%と高い割合となっています。
家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和3年調査結果
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2021/
世帯主の年齢別貯蓄率
次に、年代別の貯蓄率についてみていきたいと思います。
世帯主の年齢別の貯蓄率は以下の図表のような結果になっています。
こちらの集計結果を見ると年齢が若い人ほど貯蓄率は高く、年齢を重ねるほど貯蓄率が徐々に減っていく傾向があることがわかります。
年齢を重ねるほど年収が高くなり、また子供が自立し始めると、それに伴って貯蓄率が増加すると思っていたので自分にとっては意外な結果でした。
20~40歳代では貯蓄しなかった人の割合はほぼ一定だったのに対し、50歳代以降では貯蓄できなかった人の割合が大きく増え、50歳代以降では徐々に貯蓄できなかった人の割合が増えています。若いうちに貯金する癖をつけておかないと、その習慣が年をとっても変わらず、ずっと貯金できない人になってしまう可能性がありますね。
また、20歳~40歳代は貯蓄率の高い人と低い人の差が他の年代よりもはっきりと出ていることが分かりますね。
臨時収入等からの貯蓄割合
臨時収入等からの貯蓄割合の平均は20歳代が41%、30歳代が40%、40歳代が37%、50歳代が33%、60歳代が24%、70歳代が25%となっています。
臨時収入等の貯蓄率には図や表にして示すことはしませんが、同じような傾向があり、若い人は貯蓄に回し、年齢を重ねるほど貯蓄に回せない、回さない人の割合が増えていきます(そもそも臨時収入のない人の割合が年齢増加によって大幅に減少しています)。
ちなみに臨時収入等がなかった人の割合は20歳代が33.0%、30歳代が31.1%、40歳代が39.8%、50歳代が59.4%、60歳代が68.0%、70歳代が83.7%となっています。
まとめ
今回の集計結果を見ると、年齢を重ねるごとに貯蓄できる割合は徐々に減っていく傾向があるため、若いうちから貯蓄する習慣を身に着け、若いうちにできるだけ貯蓄をし、蓄えを作っておくほうがいいことが分かります。
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